2024/08/04(日)日生劇場ファミリー・フェスティヴァル2024 パペット・ファンタジー『ムーミン谷の夏まつり』(出演:人形劇団ひとみ座) を観てきました!
上演時間は1幕は50分、休憩20分、2幕は40分と子どもでも集中できる時間で構成されていました。
(余談ですが、『ムーミン谷の夏まつり』のポスターがバン!と大きく飾ってあるわけではないので、日生劇場ファミリー・フェスティヴァルのポスターや上演時間の掲載ぐらいしか記念に残るような写真は撮れないです…)
本格的な人形劇を観たのは初めてでした。
キャラクターに合った声質ならば、演じる人の実年齢が関係ないのは人形劇ならではだし、良さだなと観ていて思いました。(アニメも同じ良さがあると思います。)
目次
個人的に嬉しかった点 スノークのお嬢さんが「フローレン」
私は90年代の日本のムーミンアニメの再放送を観てムーミン好きになったので、劇中のスノークのお嬢さんがアニメ呼びの「フローレン」と呼ばれていて馴染み深かったです。(原作は「スノークのお嬢さん」としか命名されていない)
90年代のアニメを観て育った親とその子どもが客層であることを見込んでのことなのかな、と思います。
実際、客層が親子連れが多かったです。幼稚園児、保育園児、小学生低学年の子どもを連れた親子が特に多かったです。
人形劇だとスニフが出てきませんでした…。原作だとスニフは出ないのでしょうか?(『ムーミン谷の夏まつり』の原作はまだ未読です)アニメだと出てくるんですけれどね…。
物語に沿った感想
以下、物語に沿った感想を述べていきます。
ムーミン屋敷の屋根で朝ごはん
ムーミン谷に大洪水が起こり、水浸しになったムーミン屋敷。
朝ごはんのためにムーミンが水の中に潜り込んでカップやパンを取りに行くシーンで、
後ろで「ムーミンパパはコーヒーを飲みたいぞ!」と聞こえて笑いました(笑)
(ムーミンパパ役の方が
ポッ!という音に合わせてムーミンが水の中で食器類やパンを取る演出が印象的でした。
食器類やパンも黒服を着た劇団員の方が手持って表現していました。
自宅が水に浸って屋根の上で朝ごはんにパンとコーヒーをとるムーミンたち。
…なかなかです(笑)
このムーミンのマイペースさが私は大好きです。
大洪水の中、ムーミン谷の木の上にいたミーサ族のミーサとホムサ族のホムサ。 「あ!屋根の上で朝ご飯を食べてる人がいる!」 とホムサが屋根の上でムーミンたちを見つけて(台詞を文字にしてみると改めて不可思議な状況ですね)、ムーミンたちと合流。
ムーミン屋敷も水に流れてきたため、劇場(この時点ではムーミンたちは劇場と気づいていない)に避難します。
「裸のフローレンに言われたくないわ!」
劇場の散策をしている時にフローレンとミムラねえさんが髪の毛を整えながらミーサに「あなたも髪をカールしたり、前髪を作ったりした方がいい」と言ったら、ミーサが「裸のフローレンに言われたくないわ!」と言って泣いてその場を離れる時に客席から笑いが起こっていました(笑)
フローレンがミムラねえさんに「ねえ、私も服を着た方がいいと思う?」と聞いて、ミムラねえさんが「フローレン、あなたに服が必要だと思う?」と返しているのが秀逸でした。 (原作にもある場面らしいです。)
一方、ムーミンとミイとホムサは小道具の部屋に入って、剣や作り物のりんごに翻弄されて。 「こどうぐ」という名の悪者がいるのじゃないのか、とびくびくするのが面白かったです。
「“知らん”ということも知らん」
劇場の主である、劇場ネズミのエンマの登場の台詞が心に残りました。
「”知らん”ということも知らんのじゃ!」は、深い言葉だなと思いました。
ムーミンって、哲学的ですよね。
エンマが劇場の建物の説明図を出す場面で、 客席近くの舞台中央の黒い出っ張りのことを「プロンプターボックス」と呼ぶことを初めて知りました。
舞台のプロンプターボックスにムーミンは木をロープでくくりつけて(素敵な木だからという理由なのがムーミンらしい)、木の上でムーミンとフローレンは眠って、木にミイはバスケットの中で眠ることに。 エンマが劇場にムーミンたちが余計なことをしている!と怒って、夜中にプロンプターボックスから、ロープを外してしまいます。
…エンマもなかなかですよね。。笑
ムーミンとフローレンは木の上に取り残され、バスケットで眠るミイは水に流されてしまい、
ムーミン一家ははぐれてしまいます。
はぐれたムーミンとフローレン、ミイを集結させるために劇場で芝居をしようと提案するムーミンママ。
芝居のチラシをエンマが書いて、そのチラシをカモメのくちばしに咥えさせるんだけれど、カモメが飛んでいく演出が印象的でした。
上手からカモメの人形が出て(上から吊るされている)、座席の中央、2階へと向かう。
この演出が印象的でした。
まとめ 夏に劇場で観るのにぴったりの作品
劇場がメインの話だから、演劇の題材にすごく合っていました。夏に劇場で観るのにぴったりでした。
終演後の1番の感想としては、『ムーミン谷の夏まつり』の原作を読んでみたい!でした。
日生劇場に初めて足を踏み入れたんですが、白い貝殻を基調とした劇場みたいでした。
海の中にいるような気分になりました。夏の題材に合った劇場だと思いました。
(劇場も作品の雰囲気との相性があると思うので、私にとっては上演する劇場は重要です。)
パペットファンタジーの『ムーミン谷の夏まつり』の上演は数年ぶりだったようですが、可能な限り、毎年日生劇場で上演してほしいです!