劇団四季の『オペラ座の怪人』が好きな皆様にお尋ねします。
劇中のラウルのとある台詞に「ん?」と疑問に思ったことはありませんか?
2幕のオペラ『ドン・ファンの勝利』の開演前に銃を持った衛兵に対してラウルが発する台詞。
「その時が来たら撃て!」
「いずれわかる」
「ばか者!”その時が来たら”と言ったろ!」
上記の台詞は、ファンの間で長年物議をかもしています。
なぜラウルは、衛兵に曖昧な指示を出すのか?
今回は劇団四季『オペラ座の怪人』のラウルの「その時が来たら撃て!」「いずれわかる」という台詞の真意について分析します。
※あくまで一個人の意見です。
目次
ラウルが衛兵に指示を出すまでのいきさつ
まず、ラウルが衛兵に「その時が来たら撃て!」と指示を出すまでのいきさつを説明します。
パリ・オペラ座の歌姫クリスティーヌの恋人であり、オペラ座のパトロンであるラウル。
ラウルは、ファントムを陥れるため、クリスティーヌにファントムが作ったオペラ『ドンファンの勝利』のヒロインを演じてもらうことに。
オペラ『ドン・ファンの勝利』上演前に、ラウルやオペラ座の支配人たちは警官や衛兵を劇場内に配置することにします。
衛兵に「その時が来たら撃て!」「いずれわかる」と指示を出すラウル
ラウルは銃を持っている若手の衛兵に向かって指示を出します。
「その時が来たら撃て!」
衛兵は「その時っていつですか?子爵様」と尋ねます。(よくできた衛兵ですよね。観客も衛兵の台詞と同じ気持ちなのではないかと思います。)
すると、ラウルは「いずれわかる」と言葉を濁します。(私が衛兵の立場なら「は?!」と内心怒ります…笑)
ファントムに発砲する衛兵に対して「ばか者!その時が来たらと言ったろ!」と怒るラウル
ラウルが「いずれわかる」としたり顔で言った後、ファントムが劇場に姿を現します。
危険人物であるファントムが現れたので、衛兵は発砲します。
しかし、発砲した衛兵にラウルは以下のような台詞を言います。
「ばか者!”その時が来たら”と言ったろ!」
?????????????
いやいやいや!!!!!指示通りに撃ったのに…理不尽すぎるでしょ!!!!!!
私は、劇団四季のオペラ座の怪人を観劇する度に、発砲して怒られる若手衛兵に肩入れして観てしまいます(笑)
ラウルが発砲した衛兵に怒ったのは、コミュニケーションエラーが生じたからです。
ここで言うコミュニケーションエラーとは、「ファントムに発砲するタイミング」です。
ラウルと衛兵では、「ファントムに発砲するタイミング」の認識が違うのです。
ラウルと衛兵の「ファントムに発砲するタイミング」の認識の違い(コミュニケーションエラー)
ラウルと衛兵の「ファントムに発砲するタイミング」の認識の違いについて、ひとまず整理してみましょう。
ラウル:「ひとまず開演してから、ファントムを撃つ。開演前にファントムが現れても撃つのは阻止したい」
衛兵:「開演前・上演中・閉演後関係なくファントムが劇場に現れた瞬間に撃つ」
ラウルは上記の認識を持っているからこそ、「ばか者!”その時が来たら”と言ったろ!」と開演前にファントムに向かって発砲した衛兵に怒るのだと思います。衛兵がラウルの想定した動きを見せなかったから、ラウルは怒るのでしょう。